Die Welt von Franz Kafka

 久しぶりの更新なのですが、ちょいと愚痴を。(長くなってしまいます、ごめんなさい。)
 滞在許可証の申請がなかなかうまくいきません。日本人はこの滞在許可なしで6ヶ月オーストリアに滞在することができます。私たちがウィーンに来たのが10月初旬、3月初旬までにはこの許可を得なくてはなりません。
 いったん許可を得ると、住所の変更などの手続きが大変だと聞いていたので、私たちが最初に役所に行ったのが引越しを終えて、年明けすぐ。1度目は、私たちの住む3区の役所に行きました。そこで1時間近く待たされた後、書類の確認をした担当官に「書類は全部そろってるけど、1年目の申請はここじゃできない」と言われ、別の区にある役所へ。今度はそこで別の担当官から、私たちが用意してきた戸籍謄本のドイツ語訳にはアポスティーユがないので、受理できないと言われてしまいました。このアポスティーユ、調べてみると、日本政府の発行する証明書が法的に有効なものであるという旨を外務省が証明するものらしい・・・。もちろん、日本にいない私たちが代理人を立てて申請するには1月はみておかなくてはなりません。本来はこのアポスティーユを持って、オーストリア領事の認証を得た書類と同等と見なす、ということのようです。
 え?とここでだんなと2人で首を傾げたのですが、私たちが用意してきた書類には領事の認証印があります。在日オーストリア大使館に問い合わせて、指定された業者に翻訳を依頼し、領事の認証印をもらった証明書なのです。(この証明書を作るのに翻訳料も合わせて、たしか1万円近くはかかったような・・・。)まさか、この書類でつまずくとは。
 最初は日本大使館に、次はオーストリア公証役場のようなところに行かされました。「そこに行けばアポスティーユをもらえるから行け」と担当官は自信満々で言うのですが、もちろんもらえるはずもなく。日本の外務省に申請すればもらえることはわかっていたのですが、できればそれは避けたいところです(日本にいる家族に手間をかけてしまうので)。納得がいかなかった私たちは、在オーストリア日本大使館で出生証明書と婚姻証明書(ドイツ語)を申請しました。他の日本人の知人からも、みんなこの証明書を提出していると聞いて、今度こそは!と意気込んで3回目の訪問。ところが大使館の証明書を提出したいと主張しても、ダメ。アポスティーユとばかり繰り返す担当官。私たちにはなぜダメなのか理解ができません。私たちのドイツ語の能力ではもう限界かも・・・。
 4回目の訪問にはウィーン歴3年のドイツ語ができる日本人の知人に同行してもらいました。アポスティーユは日本の外務省で取れるが、取得までに1ヶ月以上かかるので、日本で作ってきた戸籍の翻訳を提出することはあきらめる。その代わりに大使館発行の証明書を受け取って欲しい、ということを説明してもらいました。すると今回は、「一応仮に受け取るだけは受け取るが、この書類(大使館の証明書)が法的に有効かどうか、お抱えの法律専門家に確認しておく」とのこと。
 そして、今日が5回目の訪問。なんと、まだ「アポスティーユを取ってきたか」と尋ねる担当官。前回の話覚えてないの?と驚く私の隣で、証明書の有効性について専門家に確認したかとだんなが尋ねると、「専門家が病気だったのでまだ確認できていない」とまさかの返答。1週間前ですよ!?私たちが聞くまで絶対忘れてたでしょ!しかも病気って、子どもの言い訳かYO!!・・・と一瞬の間に脳裏を駆け巡った突っ込みも、すべて日本語では空しく・・・、あと2週間待つように言われて今日もすごすごと退散してきたのでした。とほほ。。。
 ウィーンでは役人の評判はすこぶる悪く、滞在許可の申請も担当官によってずいぶん言うことが違うとは聞いていたのですが、どうも私たち、かなりひどいハズレを引いてしまったようです。この理不尽の積み重ね、まさしくフランツ・カフカの世界。読むのは好きだけど、経験はしたくないよ・・・(>_<。)