魅惑の嵐

 ウィーンでは、日曜日は基本的にお店はお休みです。土曜日も夕方には閉まってしまうので、土曜日はお買い物の日。週末の食品の買出しのために、レジに並んでお肉やチーズ、ワインやらビールのケースやら、たいそうな量を買い込んでいる人をよく見かけます。
 先週の土曜日(18日)のことになりますが、私たちも、週末のお酒と新鮮な野菜を買い込もうと、ウィーンで有名なナッシュマルクトという食品の市場に行ってきました。この市のすぐ隣には蚤の市があって、これもなかなか楽しいのですが、こちらはまた別の機会にご紹介します。
 その市で買ってきたのが、シュトゥルムというお酒。9月から10月にかけて収穫された葡萄が葡萄果汁となり、これが発酵を始める直前にわずかなアルコールを帯びたものをモストといいます。これがさらに発酵が進んで白っぽく濁ったお酒になります。これがシュトゥルム。さらにこれをしばらく寝かせてホイリゲという新酒になるそうです。また、ホイリゲとはこのワインの新酒が飲める造り酒屋も指します。毎年11月11日がシュトルムの解禁日で、モストとシュトゥルムはその少し前の今の時期だけ、楽しめるお酒というわけです。
 私たちも期待に胸膨らませてこのシュトゥルムを飲んでみました。
 美味しい〜!幸せ〜!!
 日本のお酒で言うと、濁り酒が近いのかなぁ。甘くて、どんどん飲めちゃいますが、かなりアルコールはきついです。定かではありませんが、一説にはシュトゥルムの意味はstormつまり、嵐と言われているそうです。「甘くて美味しいからついつい飲みすぎて、頭の中が嵐」という意味か!とだんなと2人で納得しました。

 1ℓが2〜3€で買えます。こんな感じで、空き瓶に入れられて、ワインのコルクの外についているような覆いがついてます。コルクはありません。覆いがかぽっとかぶせてあるだけ。発泡性なので、密封はできないみたいです。もちろん斜めにすると零れます。瓶も使いまわしで、シュトゥルムっていうシールが貼ってあるだけ。なんだかおおらかでいいですよね。