Pat Metheny «The Orchestrion Tour» @ Wiener Konzerthaus

 悲しいことに、ウィーンに来てJazzのライブを聴きに行くことがとんと少なくなった。クラッシックもそれほどたくさん行っているわけではないけれど、お誘いが多いので自然と多くなる。それに対して、Jazzは昨年の3月に山中千尋さんのコンサートに行って以来のほぼ1年ぶり。否が応でもテンションがあがる♪
 下調べ0でコンサートに行ったので、最初はタイトルからてっきりPat MethenyがいつものPat Metheny Groupよりも大所帯で、オーケストラと演奏するのかな…と思っていた。ところがプログラムを見ても、Pat Metheny以外の出演者の名前がない。楽器の名前が羅列されているだけ。あれ???と思っていると、最初の3曲はソロ。その3曲だけでもう〜ん、やっぱり天才、と思わずうなる演奏だったけれど、5曲目に舞台の後ろに設置されていた楽器の集合体が登場。これがコンピューターで制御された自動演奏機Orchestrionらしい。信じられないような技術と、その演出に思わず笑った。ビブラフォン、ピアノ、キーボード、笛みたいなもの、パーカッション各種に電飾が施され、ピカピカ光りながら揺れたり震えたりして同時演奏している。もちろん打ち込みに終始合わせて演奏と言うわけではなく、Pat Methenyが演奏中にギターや足などで一部操作しているらしい。人間の演奏と比べて、特に違和感はない。これが自動演奏だなんて、本当にすごい。少し難を言えば、音の強弱のつけ方に限界があるのかな?というところ。もちろん自然な強弱はついているのだけれど、人間の演奏ほどダイナミックには聞こえない。そのせいか全体を通して、若干クールに聞こえる気がした点は残念。きっとこの風変りな実験には賛否両論激しくあるのだろうなぁと思ったけれど、観客はスタンディングで大好評だった。アンコールも2曲してくれたし、全体で2時間以上も楽しませてもらって、私もオットも大満足。
 MCでも「子どものころからの夢だった」とにこにこしながら本当に楽しそうに話していて、とびきりのおもちゃを手に入れたちっちゃい子のようにも見えて、なんだかかわいかった。

↓こちらは公式サイト。インタビューや色んな情報が見られて面白い。
http://patmetheny.com/orchestrioninfo/qa.cfm
 最後に、上記のサイトのインタビューから引用。まさにwackyでfunnyな実験なんだけれど、凄いのです。おススメ。Check this out!
It's just kind of funny in a way. It's a funny kind of wacky thing, but at the same time, once the notes start kicking in, it's sort of like: Yeah, it's funny, but you know, check this out. And that, to me, is a good combination of things.